事例発表「鳥取大学附属図書館における社会貢献の現状ー県内図書館との連携ー」(鳥取大学学術情報部図書館情報課統括司書・森田正氏)

  • はじめに
    • 鳥取県 東西90キロ。
    • 人口59万人(47位)、面積3507平方キロメートル(41位)、4市14町1村
  • 公共図書館との連携
    • 県立図書館図と鳥取市図の物流システムを活用
    • 各図書館の蔵書の総計284万冊の利用が可能に
  • 連携の具体的内容
    • 鳥取県立図書館との連携 平成14年12月締結 
      • 平成15年4月 返却ポスト鳥取大学に設置  県立図書館の本をポストに返却できる
      • 県立図書館のセット貸出を借り受けて、中央図書館(環日本海資料)、医学図書館の配架。
      • 共催の講演会
      • 貸借システム(依頼) 大学が県立図書館HPから申込 宅配便で翌日or翌々日に受け取り可能 返却は図書館の県立図書館の配送車に載せて返却(毎週水曜日)
      • 貸借システム(受付) 県立図がFAXで申込 配送車で貸出(毎週水曜日) 返却も配送車使用
    • 鳥取市立中央図書館 平成17年10月締結
      • 大学で学内利用者が鳥取市のHPから検索し、配送希望先を大学に指定すると市の配送車(月・水・金)で大学に到着 送付前に市立図書館から利用者に連絡 返却も配送車利用
      • 市立図からの受付はFAXかメール 貸出・返却は配送車利用
      • 市立図の利用者カード作成も実施(申請受付/カードを渡す) 
      • 協力用図書を借り受けている
      • 共催の講演会
    • 米子市立図書館との連携 平成17年10月締結(医学図書館が対応)
      • 協力用図書の借受(医学図書館)
      • 共催で講演会
    • 境港市民図書館との連携 平成18年5月締結
      • 協力用図書の借受(医学図書館)
      • 共催の講演会
    • 倉吉市立図書館との連携 平成18年8月締結
      • 協力用図書の借受(中央図書館)
      • 共催の講演会
    • 南部町立図書館との連携 平成19年2月締結
      • 協力用図書の借受(医学図書館)
      • 共催の講演会
  • 館種を超えた図書館連携 鳥取地区図書館実務者連絡会議 平成17年〜 年2・3回 懇親会も必ず実施(仲良くなる)
    • 実現させた項目
      • 環境大学との現物貸借の無料化  鳥取市の配送車を活用
      • 県立高校図書室への貸出 鳥取県は全国に先立ち図書館司書(正職員)を配置 大学資料の貸出希望があり、平成19年から県内全ての高校へ実施(東部地区は平成18年4月より)
      • 図書館司書から大学へFAXかメールで申込 受付後、配送システムで県立図書館へ配送 県立図書館からは宅急便で高校へ送付
      • 短期職場体験研修の実施 県立と鳥取大学  メリット:相手館の仕事の理解と所蔵資料の把握/仲間意識の向上
      • 地域連携事業の共催 企画から運営まで / 県内図書館員向研修も実施(大学予算の地域貢献事業経費を獲得) →活動実績が予算の獲得へ
      • 鳥取市立図書館の移動図書館の乗り入れ
      • 巡回パネル展 県内市町村の観光ポスター・パンフレットを県立図書館から借りて実施→学生の8割が県外出身なので興味・関心が高かった。
  • メリット
    • 大学側
      • 大学は専門書が多い 一般書へのリクエストに応えられる
      • 講演会を共催することで、集客力が高い公共図書館を活用でき、PRの場にもなる
      • 協力することで種々の要望・企画を実現できるように
    • 公共側
      • 専門書・学術雑誌の利用ができるように
      • 大学の専門資料を用いてレファレンスが可能になる
      • 講演会を共催することで、大学教員への講師依頼もしやすくなる
      • 大学生へのサービス向上に繋がる。ブックポストを大学に置くことで返却率もUP
  • 注意点
    • 鳥取県が、面積・人口が少なく、大学の数も少ない中で可能となったサービス。
    • 都会でも同じようにできるわけではないと思う。