基調講演 「「いのち」にふれる」

京都市中央図書館長 中西進さん

読書の意味とは。美女と野獣では、本を読むことが野獣から戻るための鍵となっており、本を読む=人間的なことと考えられている。読書とは、(自身の中にある?)人間を発見することである。そのように考えたとき、図書館の役割とは何か。近年、図書情報館とか情報センターと名乗るところが増えてきている。情報提供機能は否定すべきものではないが、情報提供機能と読書提供機能とは別の機能であることを認識しておく必要がある。図書館の、読書による感動(「いのち」にふれる=心の痙攣)を与える場という機能を忘れてはいけない。

児童奉仕部門研究集会も兼ねていたので、読書の重要性を強調した話になっていましたが、「情報提供機能と読書提供機能は別」というのは確かに。かつては、後者のサービスへの偏重、近年はその反動として、前者のサービスが強調されているが、両方とも車の両輪のようで、大事ではあるよな。資金獲得の可能性が高い前者のサービスを実践しつつ、後者のサービスを実施することになるんでしょうか。